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ここは新宿。とあるエディトリアルデザイン会社のスタッフblog

カテゴリー「田島のお気に入り」の記事一覧
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「NHKハート展」は
障がいをもつ人が詩をつづり、
その詩から思いを受けとったアーティストや著名人が
ハートモチーフのアートを制作するという
コラボレーション作品の展覧会です。
毎年開催されていますが
実際に訪れたのは今年が初めてでした。


障害の有無や、あらゆる境遇の違いに関わらず
ひとは皆、一人ひとりが全く異なる
素晴らしい表現の世界を持っているということを強く感じました。
まっすぐで圧倒的な言葉の力に心が震え
何度も何度も、感動の涙……。
詩の隣に並んだアートにも
素晴らしい作品がたくさんありましたが、
ふだん読む機会が少ないからか
詩という表現がこんなに魅力的だということが
とても新鮮な驚きでした。


コンビビアの皆が
それぞれ共感できる作品が違ったのも面白い!
年齢や周りの環境などで共通項を見つけて
深く共感できた人もいるようです。
これから毎年、足を運びたい展覧会でした。

田島

拍手[4回]



『きいろいのは ちょうちょ』
『とうさん まいご』
『まどから おくりもの』

学生の頃、授業で
「自分の好きなもの」を発表する機会がありました。
何を持っていこうかと考えたとき
小さい頃、大好きな絵本があったことを思い出したのです。
それが、五味太郎さんの『まどから おくりもの』でした。

絵本のタイトルもどんなお話だったのかも
忘れてしまっていたのですが
色と絵のタッチは強く印象に残っていました。
その記憶をたよりに探し、
「この本だ!」と見つけたときには
懐かしい気持ちでいっぱいになりました。

写真の3冊は、どれも五味太郎さんのしかけ絵本です。
切り抜かれた部分から、奥の絵がのぞいている
シンプルな仕掛けなのですが
これが、とっても楽しいのです!




ページをめくるたびに起こる思いがけない展開に
今読んでもワクワクしてしまいます。

そして、やはり絵がすばらしいです。
不思議でポップな世界にひき込まれて
絵本のなかでいっしょに遊んでいるような気分になるのです。

『まどから おくりもの』は
1983年に発売されてから2007年11月の時点で207刷、
ミリオンセラーの絵本だそうです。
こどももおとなも、そして時間も超えて
心をつかんでしまう五味太郎さんの絵本。
本づくりに関わるものとしては
尊敬するばかりです。

田島

拍手[3回]



昨年、 print gallery Tokyo で
エミール・ルーダーの生誕100年を祝した展示会が開かれました。
展示されている本のページをめくる度に感じたのは、
感動的と言っても良いほどの心地良さ……。
本文や写真、ノンブルなどのすべての要素が、
ここ以外の場所はない、というような
絶妙なバランスで置かれているのです。
このデザインが何処から生まれたのかを知りたくなり、
この1冊にたどり着きました。

この本はエミール・ルーダーがタイポグラフィ専門誌で
連載していたデザイン論をまとめたものです。
「平面」「線」「言葉」「リズム」という4つのテーマ、
これらはまさにタイポグラフィにおける“本質的なもの”。
各テーマについて、歴史・社会・美術・地理などと
結びつけて考察されているのが面白く、
例えば、均一で過密状態のデザインについては
こう書かれています。

「それは現代人の生活のイメージそのものである。
すなわち、休みない活動、絶え間ない緊張、
やむことのない騒音、娯楽産業、一人でいることの、
そしてリラックスすることの不可能性、
静寂と沈思に対する不安、自分自身に対する不安だ。」

平面のデザインが、ライフスタイルや心理とも
繋がっているというのは、とても興味深いです。
過密な誌面を見て「疲れる」「息苦しい」と感じる気持ちは、
たしかに、満員電車での安らげない気持ちと似ています。


そして、第4回「リズム」の講義の
最後に書かれている言葉が印象的です。

「我々が今日「モダン・タイポグラフィ」という名で呼んでいる
あまりにも多くのものが、表面的であり無知である片鱗をうかがわせている。
(中略)
タイポグラフィにおけるデザインとは、なによりもまず、
組版の際に顕在化するあらゆる要素に気を配ることなのだ。」

まさしく彼のデザインはここから生まれていて、
それは時代や言語が異なっても変わらない、とても大切な基本のこと。
今、日本でタイポグラフィに関わっている私も、
あらためて丁寧な気持ちでデザインに臨みたいと感じました。


田島

拍手[4回]

テイクフリーの印刷物を「お、良さそう」と、持ち帰り
「あとで見よう」と、とりあえず本棚の隙間に入れてしまうと
すっかり存在を忘れてしまうことが
お恥ずかしながら、しばしばあります……。
実は今回の“お気に入り”も、1年ぶりに発掘したものです。

『のんびり』 2013 Summer

「ビリだ一番だ。上だ下だ。と
相対的な価値にまどわされることなく
自分のまちを誇りに思い、他所のまちも認め合う。
そんなニッポンのあたらしい“ふつう”を
秋田から提案してみようと思います。」
(本文より引用)

秋田県が発行するフリーマガジンです。

この号は秋田の「寒天」文化について特集しています。
寒さ厳しい秋田県に、ひんやりつるんっ の寒天。
不思議な組み合わせに感じましたが
思いがけず笑いあり涙ありの内容で、
読んだ後さっそく棒寒天を買いに行ってしまいました。



読んでいて楽しいのは、なんといっても
この本をつくっている方々が楽しんでいるから!
様々な秋田に出会ったときの驚きや喜びが
ストレートに表れているので
読者も一緒に楽しくなってしまいます。
そして、今まで遠い存在であった秋田が、
ぐっと身近に感じるのです。

こんな素敵なフリーマガジンを見つけると、
自分が住む県でつくるとしたらどんなふうかな、と
考えてワクワクします。

「自分のまちを誇りに思い、他所のまちも認め合う。」

自分の住むまちが良いフリーマガジンを発行していたら
誇らしく感じますし、より一層まちが好きになりますよね。
そして他所の良いフリーマガジンを読んだら
「今度行ってみようかな」なんて気にもなってくる。
フリーマガジンの持つ可能性って、
実はすごいんじゃないか? と
あらためて感じました。


田島

拍手[4回]



一昨年の夏、渋谷の「irodoriya」というお店で
「ナナセンチ展」という作品展が開かれていました。
志岐奈津子さん著『ナナセンチ』という本の世界を
内藤和美さんが絵やフェルト作品で表現するコラボレーション展です。
こじんまりとしたギャラリースペースに、
楽しい色とハンドメイドのあたたかさが溢れているような
すてきな作品展でした。
今回はその『ナナセンチ』の本をご紹介します。


縦長で手におさまりの良い本は、軽くやさしい紙の手ざわり。
綴じ糸をそのまま見せる綴じ方や、
「7cm」の文字でできたクマのシルエット、
レトロな「アラタ」書体、などなど
こだわりがあちこちにちりばめられていて、
読む前から“お気に入り”の予感です。

そして開くと、文字と白の心地よいバランス。
短編集ですが、詩のようなゆったり感。


「ナナセンチ」というのは、とつぜん現れた
身長7cmピッタリの黒いクマに
社会人の「ぼく」がつけた名前です。
小さくても態度は大きい「ナナセンチ」。
ヒトクセある彼に「ぼく」と読者は
戸惑ったり、振り回されたりしつつも、
その言葉や行動から大事なことを教えられます。

そんな「ぼく」と「ナナセンチ」の
間の距離や、声のトーン、空気の広がり……
不思議なくらい想像がふくらむのは、
タイポグラフィの遊びと、余白が、
物語の世界をより豊かにしているからでしょうか。
まさに“文字の絵本”という感じです。

この本のタイポグラフィを担当された
八十島博明さんは、
学生の頃にお世話になった先生です。
後日、使用書体やレイアウトデザインについて
お話を伺うことができ、(ちゃっかりサインもいただき、)
いっそう印象深い一冊になりました。


田島

拍手[3回]



『かないくん』

作  谷川俊太郎
絵  松本大洋
ブックデザイン  祖父江慎

こどもの頃に読んで忘れられない
“死”を扱ったお話がいくつかあります。
たとえばおばあちゃんの“死”や、
飼っていた犬の“死”、動物園の象の“死”など。
最近出会ったばかりの『かないくん』も、
きっとずっと忘れられない絵本だなあ、と感じています。

かないくんは、クラスメイトで隣の席の男の子。
「かないくんはしんゆうじゃない、ふつうのともだち」

そんな距離感のともだちの死を通して、主人公の男の子は、
死ぬということはどういうことなのかを考えていきます。
(帯の「死ぬとどうなるの」というコピーが印象的です)



淡々とした語り口なのにズシンと心に響くのは、
絵と装丁がこのお話の世界を視覚的に
見事に表現しきっているからだと感じます。
松本大洋さんの繊細かつ豊かな絵によって、
登場人物の心がより深く伝わってきます。



印刷も美しく、一面真っ白な雪景色の見開きなどは、
めくった瞬間その質感にドキッとするほどです。

読んだあとは、思い出や感情が頭を巡りつつ、
不思議とすこし爽やか。
たくさんのおとなの人に出会ってほしい絵本です。

拍手[3回]



「KASAI Kaoru 1968」

「葛西薫さんのデザインが好き」という方、多いですね。
この作品集を近くにおいて
たびたび開いている私も、そのひとりです。
自然体で無理がなく
見るとゆっくり心が満たされる。
たとえば「サントリーウーロン茶」のCMは
どれほど多くの日本人の心を
つかんでしまったことでしょう。
「虎屋」の和菓子の空箱を前にして
「捨てるのがもったいない〜」と頭を悩ませる人も
少なくないと思います。


なぜ葛西さんのデザインは
こんなにも人の心に残るのか。
この不思議な魅力を言葉にするとしたら
何だろう? と(勝手ながら)考えてみると
“切なさ”というキーワードに行き着きました。
心の奥に仕舞ってあるやさしい記憶に
思いがけず触れたときの感覚。
内側からくすぐられるような切なさ。
もしかしたら、発信する葛西さんと
受け取る私たちが共有する「日本人の記憶」が
くすぐられているのかもしれません。
ユーモラスな作品にも隠し味のように
“切なさ”がとけ込んでいるように感じます。


とにかくすーっと引き込まれてしまうので、
気まぐれにパラパラと眺めるつもりが
いつの間にか何十分、というのがお決まりです。


拍手[2回]



「印刷物にかける予算を抑えたい」という風潮の世の中で、
どうやって捨てられない印刷物を作るか、というのは
印刷・デザインに関わる多くの人が悩むところ

Do it yourself
ならば自分の手で特別なものにしてしまおうじゃないか!

そんなまえがきからはじまるこの本は、
発売1ヶ月で在庫がなくなったほど
たくさんの人の興味をひいたようです(すごい!)



本の前半で紹介されている作品は、
どれも印刷・加工に面白い工夫を凝らしたものばかり
手作業ならではの「ひとつひとつが少しずつちがう」というのも
魅力のひとつですよね
また、水性ボンドや寒冷紗などは
意外な使い方をすることで、
新しいテクスチャに変身することに驚きます
自分だけの、素材の使い方を見つけるというのも楽しそう…



そうして、「この加工をやってみたい!」
「これってどうやっているの?」
と、ウズウズしてきたら、本の後半へ
様々な印刷・加工や製本のハウツーが載っています
こういうのも、自分でできちゃうんだな~と
自分の手でできることの多様さを知ると、
ぐっと選択肢が広がって
制作がさらに楽しくなります

学生の頃、課題制作でお世話になった本ですが、
久しぶりに開いてみて、また、
本が作りたくなりました



田島

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