忍者ブログ

ここは新宿。とあるエディトリアルデザイン会社のスタッフblog

カテゴリー「堀木のお気に入り」の記事一覧
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

081113_h.jpg

大無量寿経中の48願中の4願。阿弥陀如来となる前の法蔵菩薩が発した願。その意味するところは、「たとい私が仏と成り得ても、浄土においてもろもろの人たちの形が同じでなく好(よ)き者と醜き者とに別れるなら、私は仏に成らぬ。」というものである。浄土の美というのは、一元の美であり、好(美)・醜の二元の世界がなくなるようにとの願である。一元の美を不二の美ともいう。柳宗悦はわれわれの世にある、力のある者・ない者、才能のある者・ない者、美しい者・醜い者という二元論的な世界をうち破り、皆が同じでなく、違っていながら全てが美しいという境地での仕事ぶりをここから説いた。現実に存する茶碗の大名物「喜左衛門」と呼ばれる井戸茶碗はそれを実現しているというのだ。この井戸茶碗は、300年前無名の朝鮮の陶工の手になるもので、無心にあわただしい生活の中から生まれたものだ。民衆の雑器として沢山作られたものが、茶器に転用され大名物になったものだ。以来この方、時代時代の作家がこれを超えようと挑んでいるがこえられていない。だから、こういえる。井戸茶碗は井戸茶碗ではない、これを井戸茶碗と名づけよう。となるのだ。私は私ではない、これを私と名づけよう。わかった?

金剛教より
般若波羅蜜は即ち般若波羅蜜にあらず
これを般若波羅蜜と名づく

ぶん:ほりき

拍手[2回]

080925_h01.jpg

080925_h02.jpg


この夏 船越桂の彫刻展が東京都庭園美術館というアールデコ調のインテリアそのものである空間で行われた。何も期待しないでみるというのはいいものである。船越かつらの彫刻なら観てみたいと思い 倦んだ日差しの夏の午後 庭園美術館に足を運んだ。待ち受けていたのは 変貌した船越だった。この人の興味は人そのものにあるようだ。それぞれの人生それぞれの顔や形に興味があるようだ。多分それぞれの場におかれたむき出しのいのちとしての顔なり形なりに 人間の実存を感じながら 感じることの難しい状況の前に立っている感じである。彼がテーマにえらんだスフィンクスは 人間に謎を出しては 答えられない人間を取って食べたらしい。それにスフィンクスはどうやら両性具有だったらしく これはユング的にいうと統合された人格のシンボルではないかと思う。体と魂 男と女 これらの二元論的なモノを統合するスピリチュアルな存在の象徴かもしれない。われわれはこのスフィンクスに存在を問われ 自らの存在の軽さゆえに 息をのまざるをえない。虚構のスフィンクスの方が確かな存在感をもち エロス的であるという意味できわめて人間的であるのである。わたしたちは スフィンクスの前で飲み込んだ言葉を どこで回復するのだろう。

堀木一男 

拍手[0回]





マキュアベリで名高い「君主論」を体現した中世ヨオロッパの政治的天才がチェーザレ・ボルジアだ。惣領冬美えがくところの「チェーザレ」はモーニングKCに連載されたものが、単行本になったものである。監修者をたて、資料を駆使して学問的な正確さに努めている。おかげで、かなりレベルの高い読者をも引きつける力をもっている。装幀は活字のタイポグラフィーを彷彿とさせるオーソドックスな中心組だ。風合いのある生成の紙に印圧をかけたスミの一色刷にみえる。実際はスミの2色刷だろうか? 超シンプルである。その代わり広めのオビは4Cのイラストレーションで口絵ふうである。渋さが引き立って魅力的だ。表紙や扉に使われている欧文書体はフェルマン・ディドーでボドニにならぶモダンローマンの傑作だ。美しい文字である。しかし、時代にフィットさせるなら残念ながらこの文字はミスキャストといえるかもしれない。舞台がイタリアだけにヴェネチアン系の書体で決められたら素晴らしかったかもね。歴史物が好きな人にお勧めしたい。ちなみに僕は、チェーザレ・ボルジアをしったのは、宝塚の舞台である。エゴイスチックな悪の魅力のにおいがする。

堀木一男

拍手[0回]




小林秀雄や青山二郎のブレーンの物語を興味を持って読んだのは、もう20年以上昔のことだ。その取り巻きだった白洲正子の友人で画廊経営者、美術評論家の洲之内徹のことは名前だけは知っていた。ある日、新聞広告に不思議なえんぴつ画の肖像画が載っており衝撃を受けた。乱雑に見える筆づかい、なんというこだわりのなさ、天衣無縫でストレートな絵だろう。これは洲之内の肖像であったが、描いたのは松田正平である。イギリスのアルフレッド・ウォリスに匹敵するいのちの喜びが伝わってくる絵だ。あれから20年後したしい友人が松田正平の画集を送ってくれた。わたしの宝物である。こころの中を吹き抜ける風のような絵だ。堀木一男

拍手[0回]

  
カレンダー
07 2019/08 09
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
AD
PR
デザインコンビビアとは
HN:
株式会社 デザインコンビビア
性別:
非公開
自己紹介:
エディトリアルデザインをメインに、 平面媒体のデザインを自在にクリエイトする、 6人のデザイナーで構成された デザイン事務所のブログです。 詳細は、ホームページに有りますので 是非そちらもご覧ください。
最新コメント
[06/26 岡野祐三]
[06/06 yukky]
[05/20 prizemoney]
[03/06 大友淳史]
[03/05 加納]
ブログ内検索
バーコード
Copyright ©  -- コンビビアな日々 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]