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ここは新宿。とあるエディトリアルデザイン会社のスタッフblog

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僕は人間の成長とそのモチベーションにすこぶる興味をもっていますが、相模女子大の石川勇一先生の著書をとおして学んだことをご紹介します。

 

欠乏欲求と自己実現

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A・マズローは行動主義心理学者として頭角を現し、後にアメリカ心理学会の会長になったいわば立志伝中の人ですが、次第に自己実現に関心を移して行きます。彼の欲求階層論は、われわれの欲求には優先順位があり、強力な低次の欲求からはじまりそれが満たされると、より高次の欲求に移り、次第に自己実現へ向かうと言われています。一番基本的な欲求は食欲などの①生理的欲求であり、食欲が満たされると様々な脅威から守られ②安全に暮らしたいという欲求が生じます。安全が満たされると、家族や仕事場などに③所属し、他者と接触し愛しあいたいという欲求が生じます。その次は④承認されたいという欲求で、他人に認められ自信を持ち、地位や名声を欲するものです。これら4つの欲求は欠乏欲求とわれますが、マズローは神経症などの心理的障害は、相手を変えようとしたり操作したりしないで、いづれかの欠乏を満たしてやることだと考えました。そして、4つの欠乏欲求が満たされると、さらなる成長欲求が現れます。それが自己実現欲求です。個々人が潜在的な能力を十全に開花させようとする力です。マズローは自己実現が最終目標と考えていましたが、後に自分自身より大きいものに自己同一性を拡大する自己超越の欲求を提唱し、トランスパーソナル心理学の考え方を明らかにしました。さてわたしたちそれぞれは、今どのあたりにいるのでしょうか。興味がつきません。

 

堀木一男

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視覚デザイン研究所の内田広由紀さんが年賀状の返信に

最近取り組んでいるという絵本を送ってくれた

2歳から5歳あたりの幼児のための絵本で 「カンカン しょうぼうしゃ しゅつどう」

という本だ 子どもの目線で描かれ 絵の中にいろいろな仕掛けがあり

どこに何が隠れているか探しながら 先にすすむという 楽しい本だ

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スピード感と共に 様々な音が聞こえてくる いわば五感に訴えて

感情のスイッチを全開にしょうとしているようなものだ

面白いのは制作側の編集方針を形成している共感言語というコンセプトだ

無意識の感情をコントロールすべく視覚の体系と感情の体系の類比に注目して

感情表現の客観化に取り組んだ成果らしい それが

子どもの健康な感情を育てると銘打った編集のバックボーンになっている

なにやら元気な子どもが育ちそうだと思わせる

なるほど内田流と納得させられる絵本だ

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堀木一男

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「東京公園散歩」矢部智子

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「イギリス・ユートピア思想──ウイリアム・モリス」大平真理子 他


確か経済評論家の内橋克人だったと思うが、本を2冊並行して読むと新しい発見があるといっていたように思う。

 クレマチスの丘にあるアート系の本屋で思わず買った本が、「東京公園散歩」だ。パラパラ繰ってみるとわかるが、東京にある見事な大公園のガイドブックなのだ。大公園巡りは心から愛する僕の趣味で、横浜や東京の里山や公園をまわって、その景観の美しさやバードウォッチングを楽しんでいる。

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 この本は、おなじみの新宿御苑や昭和記念公園、砧公園など広大で樹木の生育の見事さにほれぼれする公園をいくつも紹介しているわけだが、ごろりと寝転がることが大切と僕と同じ視点であるところが嬉しい。なんでこんなに公園や樹木そして鳥に惹かれるのだろうと思っていたら、もう1冊の「イギリス・ユートピア思想」の中のウイリアム・モリスを読んではたと膝を叩いた。

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 ちょうど幕末の坂本龍馬と同時代にイギリスでは社会変革のためにモリスが奮闘していたわけなのだ。産業革命驀進中で、貧困層が多く何やら現代の日本に通じそうな社会背景で、未来を見通すためにユートピア思想が必要であったようだ。そのユートピア思想は豊かな自然の観察力と健康な社会構想力からなっている。モリスは多忙な生活の中で、自ら自然に癒され様々な壁紙のデザインに取り組んだわけだが、川や動植物の生態系が人間の暮らしにどれだけ必要か、身近に迫ってくる宅地開発業者の緑地破壊を目の当たりにして、生涯戦い続けた。

 彼が求めたのは、良い自然環境の中で、喜びに満ちた人間的な労働の質の問題なのである。思わず何故公園の緑に惹かれるのか、了解できたのであった。

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堀木一男

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わが家に送られてくるPR誌のひとつである。

ナチュラルで美しくのんびりしてくつろげる雑誌というものではない。

この雑誌はもちろんPR誌なのであるが、「ないものを作れ」がテーマになっている。

本田の創業者、本田宗一郎の車作りの信念が「ないものを作れ」である。

車作りも、広報誌作りも「ないものを作れ」を目指しているのである。

表紙からして一瞥で何だこれはと思わせる。

表1がくまなく文字で埋まっているのだ。中をみても従来の雑誌の

本文にあたるものがすくない。読書離れの若者をターゲットに

しているのか、本文で読ませるより写真やイラストで巻き込もうと

しているのだろう。展開がめまぐるしく変化する。

どれだけわかりやすく伝えられるか。どれだけかっこよく

みせられるか。様々な工夫に満ちている。すべてOKとは

言えないけれど、「ないものを作るぞー」の意気込みは

十分伝わってくる内容だと思う。見習わないとね。

堀木一男

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登山が趣味という人間ではない

中学生の時林間学校で霧ヶ峰に連れて行かれたときも

ひたすら山道を歩かされ地面ばかり眺めて

この苦行はいつ終わるのかとばかり考えていたことがあった

あれから幾星霜、里山や森にでかけるのは大好きになった

尾瀬や上高地にも連れて行かれ自然の美しさや そこにいるときの

和む気持ちはなにものにも代え難い

ここ数年ネパールに行く機会が与えられたが 飛行機でみた

ヒマラヤの峰々が人々を引きつけるのはなんであろう

カトマンズからへりでダウラギリの麓の村に飛び

アンナプルナ山系の峯々の間をヘリで滑空するときの

変貌する大自然の造形に神々の住まいを直感した

たまたまNHKの番組で白川が百名山の撮影に挑んでいる映像を

みる機会があった ネパール空軍の援助をうけて

綿密なタイムスケジュールで日の出の時刻にあわせて山頂めがけて

フライトするわけだが 数分の遅れがいのちとりになる

地獄の竈のように燃え上がった真っ赤な山の姿をとらえるのは

難しい 8000m級の山並みをめざしカメラを座席にくくりつけ

酸素マスクをしながら飛行機の窓を開けて撮影するなど

高いきけんが伴う

できた写真を見ればわかる この人だけに許された

まさに命がけの写真である 山の写真が人を引きつけ息をのませる

地球が生きていることを 見ることで魂の深いところに届く

感動があることが伝わってくる映像である

印刷が素晴らしい


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堀木

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1998年から2010年までわが国では自殺者が3万人を越え続けている。

一般労働に派遣が認められてから、何が起こったかというと

労働者というより勤め人が正社員と派遣さらにパートやバイトに分けられて

格差社会に拍車がかかっている 仕事をする人の状況にあわせて

パートやバイト正社員や派遣が働き方の多様性を生んで伸びやかな

生き方をサポートするのと全く逆の 格差を助長し

人間のあらゆるセイフティーネットを寸断して一度落ちたら

はい上がれないような すさまじい世界になっている

各世代毎に生き抜いてきた環境も経験も異なっているので

人間関係の構築や人間関係の価値観もおそろしいまで多様である

これだけ技術が進んでいながら他者と関われない煩わしいという

社会を作ってしまって おそらく孤立感を感じている人がかなり多いと思う 

人生に息苦しさを感じたとき リセットしたくなってしまったとき

自殺者が多いというのは砂漠でオアシスにたどり着けない人が多いと言うことだ

だからインフラを整備して砂漠でも水道の蛇口をひねればどこでも

水が飲める状況にしたいというのが 「生きテク」サイトである

オキタ リュウイチガ立ち上げたこのサイトのすごさは

ひとつひとつの事例がほとんど自殺未遂者からの取材でできていると言うことだ

問題解決をした人の事例と苦しんだ人の事例が8パターン×8パターン

64通りの解決の糸口を用意したというどこまでも極めて論理的な

社会企業家的爽快なチャレンジである

堀木一男




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岩波書店といえば日本の出版界でも良質の図書を出し続けている出版社である。

岩波文庫や岩波新書、ブックレットなどどこかでお世話になった方も多いに違いない。その岩波のシンボルマークは種まく人である。あまり気付かないがこれはキリスト教的モチーフである。岩波の精神的なバックボーンの中にキリスト教的なエトスが流れているようだ。わたしたちの仕事場では、日本聖書協会とだいぶ長く取引させていただいている。口語訳や新共同訳聖書を出版普及している出版社である。

聖書といえば日本聖書協会の聖書がなじみ深いが、実は日本聖書刊行会と言うところからも聖書が出版されており、こちらは新改約聖書やリビングバイブルで名が通っている。そのほか、さまざまな出版社からも聖書が訳出されているわけだが、岩波書店から2004年に出た新約聖書をやっと手にいれた。友人の牧師がもっているのをみせてもらって、かみさんに買ってきてもらった。4700円と髙い。中を開くと、新約聖書がマルコ伝から始まっている。通常はマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネとくるのだが、最新聖書学の成果に基づいて製作年代順に並べられている。書簡も「パウロの書簡」と「パウロの名による書簡」に再編集されており興味深い。なによりすごいのは、見開きの左端に収録されている参照項目のすごさである。けっして一般向きとはいえないが、ことばにたいする新鮮な意気込みが伝わってくる聖書である。伝え聞くところによれば聖書協会も新しい翻訳事業を開始したもようである。いつも同時代の翻訳で読めるというのは素晴らしい恩恵である。

 

堀木一男


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右:岩波の新約聖書 2004年刊行

左:筆者が1995年デザインした聖書協会の対訳新共同訳聖書

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左頁の3分の2が参照項目になっている

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写真の魅力は様々だが、これほどわかりやすく暖かみのあるものは少ない。絵画に比べて写真はクールでつきはなしたところが少なからずあるが、野島の写真はもはや絵画であり、木炭デッサンである。120年前に孤立無援状態でARTを志向した野島の目はどこまでも柔らかい。とにもかくにもこのような写真家がいたことが驚きである。わが家での第一発見者はかみさんであった。その美しさとりわけ日本人のヌードの美しさの最初期の表現は素晴らしいというほかない。中に男の肖像がいくつかあるが、驚くなかれその中の1枚は柳宗悦であった。肖像写真としても一瞥でその技量が感じられようというものだ。おすすめの一冊である。

 発行:赤々舎 定価:4200+税
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 おまけに持ってきたのが竹尾洋紙店発行のDesk Diaryだ。
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 こちらは自然写真をテーマにしているが、自然のとらえ直しが多様な表現を生み出している現代の状況を伝えて、すこぶる面白い。

 

堀木一男

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