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ここは新宿。とあるエディトリアルデザイン会社のスタッフblog

カテゴリー「堀木のお気に入り」の記事一覧
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Belcoladeのカタログ

久しぶりに濃厚な印刷物をみた。先日行われたフェアトレードラベルジャパン主催のステークホルダー会合でのおみやげにいただいた紙袋の中に入っていた。ベルギーのチョコレートの卸をやっている企業らしい。深く濃くチョコレートの味覚と香りが立ち上ってくるような、濃厚でヴィヴィッドな印刷物で、クオリティーの高さを彷彿とさせる冊子だ。普段はつや消し無光沢の印刷物が好みだが、こればかりは、光沢の官能性に引き込まれてしまう。見事なセンスだ。





文学座公演ポスターのイラストレーション

町を歩いていて目が釘付けになったポスターのイラストレーションである。

シェークスピアの出し物「尺には尺を」「お気に召すまま」のポスターである。

自由闊達なタッチは紛うかかたなくベン・シャーンのものだが、ベン・シャーンではない。おそらく本物より本物らしい山藤章二の手になるものだろう。イラストの魅力がいかんなく発揮されている。うっとりである。





マンガ 『ペルセポリス1 イランの少女マルジ  作マルジャン・サトラビ

イランの出自はペルシャである。642年にこのササン朝ペルシャがアラブに滅ぼされイスラム教シーア派に改宗したわけだが、それ以前はゾロアスター教であった。その後、トルコ系やモンゴル系の王朝に代わったわけだが、1501年シーア派のペルシャ帝国は復活した。だが紛争が絶えず混迷を極めたが1796年頃カジャール朝が統一した。そのころからロシアとイギリスからの干渉を受け、ロシアは中央アジアとコーカサスを併合、イギリスはアフガニスタンとチベットを刺激した。その後石油の発見と第一次大戦によりイギリスの同線滴支配が加速した。1925年一将校が政権をを奪い、イランを樹立西欧化をめざすも、宗教家の猛反発にあう。第二次大戦中はイランは、中立の立場を取っていたが、列強に食い物にされた。米英は当時の国王レザー・ハーンを退位させ、息子のパーレヴィーを即位させた。外国の石油開発の独占に民族主義が台頭したが、CIAなどの画策により再びパーレヴィーが返り咲いたが、1979年ホメイ二師による革命によって郊外退去になった。このような政治状況・歴史がこのマンガの背景にとうとうと流れているのを、きっと感じることだろう。

堀木一男

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東京メトロ

地下鉄ガイドブック4カ国語版

数年前ソウルに行ったとき、地下鉄の乗りやすさ表示のわかりやすさに舌を巻いた。ソウルに比べて東京の地下鉄は密度的にも複雑きわまる。料金のシステムも難しい。乗り換えの煩雑さは、東京の地下鉄がおそらく世界一ではないだろうか。



ここにお見せするガイドブックは、東京メトロが作った4カ国語のガイドブックだ。もちろん、旅のガイドブックは別に様々な国語で様々な出版社から出ていることと思うが、かなり簡易版である。それにしても、東京オリンピックにむけて、これから日本を訪れる人々は急増することだろう。今回見つけたものは英語・中国語・台湾語・韓国語の4つだが、さらにいろいろな言語が必要とされるだろう。異国で母国語が読める有り難さは格別のものがある。さらに多くの言語の提供が望まれる。このような公共サービスはその国の民度が試されるところである。デザイナーにとっても挑戦であろう。ユニバーサルデザインもさることながら、外国語フォントの取り扱いに格闘を迫られることになるだろう。

堀木一男

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これは読まないとモリスフリークとしては恥ずかしいだろうと買い置いた本が、

意外なところから見つかった。首を突っ込んで元には戻れない小野不由美の十二国記に

はまっているさなかに、モリスの著作がまとまって出てきたのである。

十二国記は無国籍でありながら中国風のファンタジーである。ファンタジーといえば

「指輪物語」のトールキンや「ナルニヤ国年代記」のC.S.ルイスが有名だが、なんと

ルイスの師匠がトールキンであり、トールキンに影響を与えたのが実はモリスなのだ。

ゲームのシナリオはファンタジーものが多いが、そこにモリスの影響がうかがえると言うわけだ。ファンタジーは若者が困難を乗り越え、怪物や敵を倒し、宝物を手に入れたり、美女と結ばれたりという物語だが、分析心理学の河合隼雄に言わせると

ファンタジーは個人の成長の物語である。自立的でありながら協働的である

自立農民としての市民像を理想に描いたモリスの確信が物語のエッセンスではないかと

うかがわれる。「輝く平原の物語」はそんな1冊である。今は亡きモリスフリークの第1人者小野二郎の奥さんが翻訳している。版元は小野が在籍していた晶文社だ。

 また「理想の書物」は書物を精神の建築と捉えたモリスの書物との出会いの物語であり闘いの歴史である。紙、インク、活字、タイポグラフィー、印刷と手書き写本の美の探求と、美しい労働をなんとか実現に漕ぎつけようとした印刷親方としてのモリスの姿を伝えるものである。ニコラ ジャンソンを理想にしながらも、強烈にゴシックの物語世界に引かれた

トロイタイプの活字に傾斜していくのがよくわかる。読んでいて中世の写本を

研究するには日本は不向きだと思わされるが、美しい写本やインキュウナビラ(初期刊本)

を浴びるようにみたくなる刺激に満ちている。

堀木一男

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メメント 森 達也

この本は、書名に表れた執筆者の遊び心につい手にとってしまったものだ。メメント  モリ  は中世の修道士が戒めとして自らを律するときにつぶやいたことばだ。「死をわすれるな」というのは、わたしたちの生には限りが有り、いつも人生という旅の途上であることを明らかにする。この世界に打ち込み過ぎて陶酔するのも間違いだし、なんにも関心がなく醒めすぎているのもいただけない。生きていると言う実感や、与えられているいのちの時間というものを感じられて生きるためにも、死を忘れてはいけないという戒めなのだ。森は映画監督らしいが生活の様々なシーンで出会う死を饒舌に述べている。ありふれた日常を豊富に語るわけだが、眼差しがまさにドキュメンタリー作家である。さまざまな死を通して現代が浮かび上がってくる。装幀が、白地の生成りの紙にこれまた生成りの帯、黄色みの強いオリーブグリーンの文字にバナナの皮だけが無造作におかれているものだ。おいしいところはもう食べちゃったからねと言っているようだ。





曾野綾子 今日をありがとう──人生にひるまない365日の言葉

辛口で男性的な語り口の曽野綾子の短文集は各社が出しているが、どれもよく売れているらしい。小説やエッセイを書いたモノを、編集者が再編集したものが売れちゃうんだから、この人の言葉には力があるのだろう。かくいう自分も曽野のファンである。日本は男性原理と女性原原理のうちかつての雷親父的父権が大きく退潮して母性社会になり、それゆえの問題性が親子関係をゆがめているといったのは河合隼雄だが、成熟した男性性と女性性を併せ持ち、人間のいい加減さを熟知しながら泥の中に宝石を探すことができるのが曽野だ。人間を表裏両面からみて、そのままの人間を語るのは実は難しいが、生涯言葉を探し続けるこの人はまさに言葉の錬金術師だ。価値ある黄金の言葉を紡ぐのである。そしてこの本の作りの面白さは、机の上でいつまでも開きっぱなしでいられることだ。そんなのはなんでもないと思ったら大間違い。大抵の並製の本は、両手でしっかり持っていても閉じてしまう作りだ。丸背の上製本であっても、開いたままは難しい。よろしかったら、あなたの本も開いてみてごらんなさい。きっと勝手に閉じてしまいますよ。開けっ放しにできるところが、この本のありかたを示しているようで面白い。

堀木一男

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●イスタンブールの空港で貰った観光、ショッピング  マガジン
イスタンブールは言わずと知れたムスリムの国だ。その中でもアジアとヨオロッパを繋ぐ、主要な空港であり、もはやヨオロッパになろうとしている意気込みが感じられる。Gate と題された雑誌は、全てアラビックではなく、ローマンフォントでできている。しかしよく見ると、ローマンフォントを巧みに用いたトルコ語なのである。英語と併記してあるので一瞬わからないが、トルコ語をローマンフォントで組んでいるのである。各国のマガジンが研究され、国籍はすでにわからないほど
洗練されている。見出しの文字のウエイトが細身なのも世界的な傾向のようだ。でもイスタンブールの魅力は、迷路のような市場と厚みのある歴史だ。今度はイスタンブールに行こう。
●エルサレムのダンホテルのホテル内マガジンである
Magazine The Dan  黒表紙にニス引きでゴージャスなつくりである。面白いのは表紙と裏表紙が同じで通常の左開きは英語バージョン、右開きは漢字のの縦組みと同じ流れのユダヤの文字だ。アラビックもそうだが、右から左に文字が流れる。そういう訳で、両面が表表紙なのである。トルコと違って、ユダヤ人はプライドが高い。英語と併記する場合は真っ向流れがことなるのだが、全然気にする風もなくデザインされている。ホテルの女性スタッフの愛想のないことおびただしいが、彼女らも軍隊で厳しく男性兵士と同じ訓練を受けてきた証かも知れない。デザインクオリティーは全く欧米先進国なみだ。ホテルの浴室に置かれた石けんが素晴らしくよい香りもその現れだ。また野菜がこんなにうまい国はないだろう。

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 Frederic W. Goudy
William Morrisの影響をたっぷり受けて、ローマン体の中のローマン体であるヴェネチアンを徹底的に勉強した人のように見受けられる。



Goudy Old StyleやGoudy Catalogue、Goudy Handtooledなどのポピュラーな書体を見ただけでも、書体づくりのスピリットが注入されていることが十分感じられる人だ。同じアメリカ人のMorris F. Benton や Bruce RogersなどものちにGoudyの設計した文字の改刻に参加しているから、よほど尊敬された人なのだろう。僕のおすすめは、後期の代表作といえるCalifornianとかCalifornia Old Styleと呼ばれる書体だ。軽やかで柔らかく品格があり、伸びやかで自由を感じる文字だ。円熟味とはまさにこの書体のためにある書体だ。最高のヴェネチアンといわれる Bruce RogersのCentaurとは対極の無垢な空気感を味わって欲しい。

堀木一男









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例年ボランティアの仲間と集まって富士山の森で遊んでから、サナトロジーのお勉強会を開催している。ことしもその資料を作ったのだが、資料の中にトランスパーソナル心理学から見た自己探求・自己成長の三段階というのがあった。簡単に紹介したい。

●プレパーソナルな状態

人間関係のしがらみを断ち切る。他者の期待に応え喜ばせる、偽の自分を演じるのを止める。心の傷やとらわれから解放されて、個としての自分を確立していく。自分が自分の人生の主人公になる。

●パーソナルな状態

自分の人生の主人公になった人が、個である実存的不安にかられながらも人間としての本当の生き方を求めていく。最終的には究極の心理(世界の一切は空である)に目覚める。

●トランスパーソナルな状態

この世界や自分のあるがままの姿を受け容れ、悦ぶ事ができる。ごくふつうの日常生活を送りながら、自分を越えた向こうからの呼び声をききつつ生きていく。外的な現実よりも内的体験にリアリティを感じ、遊び心を楽しみ濃密な時間を享受する。

なにかヒントになるとことがあればいいですね。

堀木一男








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ソウルの王城、昌徳宮(チャンドックン)を訪ねた。猛暑の中お上りさんが

各地からやってくるのはいずこも同じ。韓流歴史ドラマでおなじみの王宮だ。元々は離宮だったそうだが、歴代の王に愛されて本来の王宮である景福宮より、実質的な王の居城として長く使われたようだ。入り口の敦化門で案内のパンフレットをもらったのだが、10カ国以上あったのではないかと思うが、各国の言葉に翻訳されたパンプレットのデザインが、目を引いた。レイアウトのメソッドが、一瞥してある人物を思い起こさせたからだ。杉浦康平事務所に長らく出入りしていた、谷村彰彦のことだ。彼は平凡社の地図帳などの仕事で名前を残したが、韓国のデザイン学生と交流があったと聞いている。罫の使い方といい、書体の選定といい、冊子の作り方といい、谷村の息づかいが感じられる冊子のデザインだ。おそらく、彼の薫陶を得た韓国の学生が成長して成した仕事にちがいない。無料で配られるガイドブックとして品格のある良い仕事だと思う。なにより人間の交流が、それぞれの文化に良い影響を与えるようで、嬉しくもあった。喧嘩なかまであり、すでにあちらに籍を置いている谷村に敬意を表するものである。





堀木一男



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