忍者ブログ

ここは新宿。とあるエディトリアルデザイン会社のスタッフblog

カテゴリー「スタッフのお気に入り」の記事一覧
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

金斗鉉さんはコンビビアでは信徒の友の表紙他、お世話になっているイラストレーターだ。
この本「絵本イラストレーション入門」は私が学生の時、コンビビアを知るよりも前に、
近くの本屋さんで見つけて買った本だ。

090302_hata01.jpg

もう25年以上前の話だ。この金さんの本を紹介するというのは、
今のお気に入りという点ではちょっと反則かもしれない。

当時、イラストレーターになりたかった自分は
創刊してまだ数年の「イラストレーション」という雑誌を必ず見ていた。
そこには当時のはやりの最先端をいくイラストレーターの活躍がつづられていた。
登場する多くのイラストレーターのその技法などにすごいと思いにあこがれていた。
しかしその雑誌「イラストレーション」に金さんは登場しなかったので
この本に出会うまでは、金さんと言う存在を知らなかった。

本屋でこの本を見つけたとき、その内容の多様さ濃さにとてもびっくりした。
そして金さんとはいったい何者なのだろうと思った。

090302_hata02.jpg

「イラストレーション」誌に出てくるイラストレーターは
「メカを描かせたら凄い人」とか、「〜のタッチのスペシャリスト」とかであった。
しかしこの金さんの本にはいろんなタッチを使い、技法がほとんどが網羅されていた。


その上、いろいろ面白いスケッチのすすめをしていた。
それもたとえばテレビを見ながら描くだとか、
演劇や映画などの客席で暗いなか何が描かれてるのか自分でもわからない、
なんていうおもしろくびっくりしてしまう描き方を紹介していたのだ。

090302_hata03.jpg

さらには、絵だけでなく、クリスマスカードや飛び出す絵本的なものなど
とってもワクワクするような工作なども紹介していた。

「イラストレーション」誌は登場したイラストレーターの描き方などを紹介した
「How to draw」というコーナーがあり、
別冊としてそれも出版していた。
それは確かに技法書であり感心するものも多かったが、
技法とは所詮、生み出したその人のものであり、誰もがまねしても上手くいくものではない。

でもこの金さんの本には、特殊な人びとではなく誰もが面白くやっていればいつかは到達できそうな
数々の可能性を感じるヒントのようなものが一杯詰まっていた。
惜しみなく自分のアイディアをこれでもかと詰め込んでいる。


それらの金さんお薦めのスケッチ、クロッキーなどをお気に入りになる位
自分も実践していれば、今の自分もかなり違った道を歩んでいたかもしれない。
今回のお気に入りは、素晴らしい書物に出会いながら、お気に入りを本当のお気に入りにしえなかった、
自戒の念を込めたようなおはなしでした。


羽田智憲

拍手[1回]



081201_hata01.jpg

この秋に、奈良でこの作家の展覧会が行われた。
ネットでその情報を見た今年の夏の終わりに、
この画集を思い出したかのように引っ張り出して来て毎晩のように眺めた。

何の知識も興味もなく人に連れて行かれ一村の展覧会を見て
その絵に衝撃を受けたのはもう12年も前の話だ。
そしてそのまた12年前にこの画家はNHKの日曜美術館のスタッフに見いだされ
放送と展覧会で一躍日本中に知れ渡った。
画家が亡くなってから10年近く経ってからのことだ。

彫刻家の父により幼くして見いだされて画の才能。
同期に東山魁夷、橋本明治などがいた今でいう、芸大日本画科に入学するも
父と、そして自らの病気により、やむを得ず退学。
病気と戦いつつも 食べるために心ならずも描きたく無い絵を描く。
意を決して自分の描きたい絵を描き支援者に見せると酷評の嵐。

081201_hata02.jpg

081201_hata04.jpg

公募展に出せば、自分の自信作が落とされ
別の作品が入選になり、納得できず入選も辞退する。
それ以来中央画壇との関わりを一切絶ち
アルバイトで家族を養い,絵を描いた。

「自分の絵がなんと批評されようがいい。
人に見せるために描いたのではなく、
私の良心を納得させるためにやったのだから」
と晩年に言葉を残している。

081201_hata03.jpg

081201_hata05.jpg

その晩年は「絵かきとしての生涯最後を飾る絵を描く」という目的で
奄美という「楽園」のイメージをもってしまう南の島で
薄給の紬工場として働き貧困に堪え あまりにもストイックに、
自分の信念のために命を削るかのようにして描くことができたのでしょうか。
なぜにそこまで強くなれたのでしょうか。

画集を見ながら絵の凄さはもちろんだけれど
その絵の向こうに見える生き様に凄さを感じます。

比べようなどないのだけれど、アート活動をしているものの端くれとして
自分は自分の甘さを恥じます。 ここまで、命をかけて自らはアートをやってるのであろうか?

田中一村の画集は私を「自分もがんばらねばという気持ち」にさせてくれます。


文:羽田智憲 

拍手[0回]

  
カレンダー
07 2017/08 09
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
AD
PR
デザインコンビビアとは
HN:
株式会社 デザインコンビビア
性別:
非公開
自己紹介:
エディトリアルデザインをメインに、 平面媒体のデザインを自在にクリエイトする、 6人のデザイナーで構成された デザイン事務所のブログです。 詳細は、ホームページに有りますので 是非そちらもご覧ください。
最新コメント
[06/26 岡野祐三]
[06/06 yukky]
[05/20 prizemoney]
[03/06 大友淳史]
[03/05 加納]
ブログ内検索
バーコード
Copyright ©  -- コンビビアな日々 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]