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ここは新宿。とあるエディトリアルデザイン会社のスタッフblog

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2009/04/01 (Wed)
金さんの本
金斗鉉さんはコンビビアでは信徒の友の表紙他、お世話になっているイラストレーターだ。
この本「絵本イラストレーション入門」は私が学生の時、コンビビアを知るよりも前に、
近くの本屋さんで見つけて買った本だ。

090302_hata01.jpg

もう25年以上前の話だ。この金さんの本を紹介するというのは、
今のお気に入りという点ではちょっと反則かもしれない。

当時、イラストレーターになりたかった自分は
創刊してまだ数年の「イラストレーション」という雑誌を必ず見ていた。
そこには当時のはやりの最先端をいくイラストレーターの活躍がつづられていた。
登場する多くのイラストレーターのその技法などにすごいと思いにあこがれていた。
しかしその雑誌「イラストレーション」に金さんは登場しなかったので
この本に出会うまでは、金さんと言う存在を知らなかった。

本屋でこの本を見つけたとき、その内容の多様さ濃さにとてもびっくりした。
そして金さんとはいったい何者なのだろうと思った。

090302_hata02.jpg

「イラストレーション」誌に出てくるイラストレーターは
「メカを描かせたら凄い人」とか、「〜のタッチのスペシャリスト」とかであった。
しかしこの金さんの本にはいろんなタッチを使い、技法がほとんどが網羅されていた。


その上、いろいろ面白いスケッチのすすめをしていた。
それもたとえばテレビを見ながら描くだとか、
演劇や映画などの客席で暗いなか何が描かれてるのか自分でもわからない、
なんていうおもしろくびっくりしてしまう描き方を紹介していたのだ。

090302_hata03.jpg

さらには、絵だけでなく、クリスマスカードや飛び出す絵本的なものなど
とってもワクワクするような工作なども紹介していた。

「イラストレーション」誌は登場したイラストレーターの描き方などを紹介した
「How to draw」というコーナーがあり、
別冊としてそれも出版していた。
それは確かに技法書であり感心するものも多かったが、
技法とは所詮、生み出したその人のものであり、誰もがまねしても上手くいくものではない。

でもこの金さんの本には、特殊な人びとではなく誰もが面白くやっていればいつかは到達できそうな
数々の可能性を感じるヒントのようなものが一杯詰まっていた。
惜しみなく自分のアイディアをこれでもかと詰め込んでいる。


それらの金さんお薦めのスケッチ、クロッキーなどをお気に入りになる位
自分も実践していれば、今の自分もかなり違った道を歩んでいたかもしれない。
今回のお気に入りは、素晴らしい書物に出会いながら、お気に入りを本当のお気に入りにしえなかった、
自戒の念を込めたようなおはなしでした。


羽田智憲

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